僕の人生で最も面白かった本って何だろう?
意外と多いんだけど、そのうちの1冊に間違いなくなる本が、門田隆将「死の淵を見た男」だ。
他にも、村上世彰「生涯投資家」と「嫌われる勇気」、とタイトル忘れたけど、行動経済学の本だ。
この辺は今後紹介して行けたらなあ、と思う。
「死の淵を見た男」は3.11で起きた福島第一原子力発電所の事故で、現場の人間がどのような思いであの事故に対していったのか、がノンフィクションで書かれている。
所長の吉田晶郎や、当時の1号機当直長の伊沢らのインタビューをもとに構成されている。
映画化されて、店頭に並んでいたのを買ったが、素晴らしい内容だった。
私自身、ちょろっとは原子力の知識があるため、簡単に読み進められたが、知識がなくても簡単に読めただろうなとは思う。
また、工場で現在働いているため、事故対応とかそういう対処法の考え方もなんとなくはわかるため、実感を持って読めた。
この事故で最も防がなければいけない事態は、原子炉格納容器の爆発による放射能の大量漏洩である。現在でも、ひどいことになっているが、現場の作業員の奮闘がなければ、それがもっとひどいことになっていた。というのが、この本の主軸になった内容だ。
この事故は、僕が高校2年生の時に起こっている。当時はすげえ大変だなあ、くらいにしか思っていなかったし、どちらかといえば原発よりも津波の被害のほうが深刻だと考えていた。原発の事故が放送されても、「現代の設備なんだし、大丈夫でしょ」くらいに考えていた。
この本を読んで、その考え方は甘かったということがよくわかった。特に、所長含め東電社員は死ぬことまでを想定して、働いていたというのは、みじんにも考えていなかった。
関西に住んでいたので、遠い地域の話に思っていたこともあるだろう。高校生だったしし世の中を知らないんです…
最終的には、人の力でバルブを開けたり、自動車のバッテリーを無理やり持ってきていろいろな測定機器を動かしたりと、泥臭い努力が続けられていた。
そんなことも知らなかったし、多くの人が知らないと思う。
命がけで1号機の建屋内に入る場面も描写されている。いざというとき、自分は何をすべきで、死ぬかもしれないという状況の中で、果たして責務を果たすことのできる人間なのか、考えるいい機会になる本だった。
いろいろなことを考えさせられる本です。
2回読んだけどやっぱいい本です。
終わり