さて、前回同様、佐藤賢一著、「日蓮」について書いていきたいと思います。
この当時は、仏法を守ることで天下泰平が訪れるという思想ですから、僧が落胆するのも当たり前です。
日蓮は過去の修行中にめちゃめちゃお経を読みますが、見落としがあったのでは?と考えます。
仏がすべて、と考えられている時代ですから、仏=釈迦如来が言ったことはすべて正しい。その仏が言ったことが書かれているお経はすべて正しい、という考えです。
よって、お経をきちんと読めていない自分が悪くて、もう一回読めば地震や災害を防ぐ手立てがあるのでは?と考えて、再び修業期間に入ります。
その結果、
「浄土真宗などは、阿弥陀仏を信じて、釈迦如来を信じていない」
「そういう釈迦如来を信じていない法で日本が治められているから、神様や仏さまが日本から逃げてしまった。」
「そして、その隙間に悪魔がやってきて、日本で地震などの災害が起きている」
「だから、釈迦如来が言ったことが書いてある法華経をみんなが信じれば、釈迦如来を信じることになる。そしたら神様や仏が日本に戻ってきて、平和な世の中になる」
「そうじゃなければ、お経に書いてある7つの災害のうち、まだ起きていない外国からの侵略と内乱が日本で起こるだろう」
このようなことが書いてあります。
まあ、読んでみて、筋は通っているなと思いました。当時の時代背景を考えれば、非常に論理的な構成で説明がなされています。
これを書きあげて、鎌倉幕府に奏上して、法華経を信じて日本を治めるように伝えなければ、ということが、この後の日蓮のやるべきことになっていきます。
実際、幕府に手紙を出したりして、少しずつ仲間を集めて、それが実現できるようにもろもろ頑張っていきます。
特に、鎌倉での信者がすごく増えていきます。
日蓮にカリスマ性があったし、天災続きで従来の宗教に対する不信感もあったのでしょう。
そうやって力をつけることで、幕府も無視できぬ存在へと成長していきます。
そうなるとどうなるでしょうか。
まあ、よくある話で、襲われます。浄土宗を信じる人たちに…
まあ、時の権力を握っている人からしたら、迷惑この上ない人が日蓮ですから、仕方ないでしょう。
そして、この後はいろいろ大変です。
襲われたので故郷の安房に逃げたり、戻ってきたと思ったら伊豆に流刑にされたりと、、、
いろいろありますが、実は日蓮、結構なラッキーボーイだったと思います。
その話は、次回していきましょうかね。
ではまた。
おわり
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