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書評:身体はトラウマを記憶する ~フラッシュバックのメカニズム~ 脳と現実間のエラーです

さて、前回に引き続き

ベッセル・ヴァン・デア・コーク著

「身体はトラウマを記憶する」

 

について書いていきたいと思います。

 

  1. トラウマの記憶される方法
  2. フラッシュバックする原因
  3. その対処法

 

2の、フラッシュバックする原因、について書いていきたいと思います。

 

フラッシュバックですが、

フラッシュバック (flashback) とは、強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合に、後になってその記憶が、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、同様にに見たりする現象

 

* 参照:フラッシュバック (心理現象) - Wikipedia

 

ということです。つまり、ただ「思い出している」のです。

 

前回お話ししましたが、このトラウマの記憶は、通常の記憶とは異なる脳内の部位に保存されます。より本能に近い部分に記憶されており、それが呼び出されます。

 

呼び出される原因は、人によって違うのですが、最大の問題は、

「本人にすらその原因が分かっていない」

 

ということです。ですから、いつどこでフラッシュバックが起こるのかが分かりません。

 

ほんの些細なことだったりします。

 

例えば、僕が足がもつれて階段から落ちて死にかけたことがあって、そのことがトラウマになったとします。

 

階段も当然フラッシュバックする原因になりえますが、例えばその階段にたまたま

「目覚まし時計」

が置いてあって視界に入ったとします。

 

そうすると、「目覚まし時計」がきっかけとなってフラッシュバックすることも可能性としてはあるのです。

そんなことでフラッシュバックしたらたまりませんが、実際に起こりえます。

 

なぜかというと、トラウマの記憶は、本能に近い部分に記憶されており、あまり整理されていません。

 

ですから、

「足がもつれたのが原因」で、階段から落ちた。

 

ではなく、脳内では

「目覚まし時計が原因」で、階段から落ちた

 

と誤作動する可能性がある。ということです。

 

そうすると、目覚まし時計を見ただけでフラッシュバックすることになって、苦しむのです。これはきついですよね。

 

 

フラッシュバックしたときの反応

 

フラッシュバックしたときは、人はどうなっているのでしょうか。

この本では、その状態を実験によって解明しました。

 

なんと、そのフラッシュバックした当時に戻っているのです。

リアルにその「過去」に戻って、体験しているというのです。

 

恐ろしい話ですよね。死の危険を感じるような体験を、追体験しているというのですから…

 

なぜかというと、本能に近いところに記憶されているので、体の感覚を伴ってトラウマが記憶されているからです。

だから、思い出したら、当時の体の感覚まで一緒に思い出してしまい、当時と同じ恐怖や、不快感を感じさせてしまうのです。

 

でも、これはしょうがないんです。

原始人だったら、死にそうな場面を本能レベルで覚えていることは、生存につながりそうです。だから、そういう機能を人間は有しているのです。

 

ですが、現代ではそんなことはありません。

 

ですから、タイトルの通り、

脳内と現実の間で、エラーが起こっているのです。

 

それがフラッシュバックです。

原始人だったらそれによって死の回避ができたのですが、現代ではそんなことはなく、ただ苦しいだけで、何のメリットもありません。

 

冷静にめっちゃ嫌です。絶対にきついですもん、そんなの…

 

 

さて、フラッシュバックについて詳しく説明しました。

次回、対処法について、300ページくらいで書かれていた部分を書いていこうかな、と思います。

 

おわり

あでぃおす。

 

 

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