さて、今日は中村文則著
R帝国
について書いていきたいと思います。
価格:792円 |
さて、
ダークな感じの小説っぽい表紙だったのと、
アメトーークで紹介されたという帯に釣られて、
結構前に買っていましたが、最近読み終えました。
面白かったです。
最初、R帝国とか、Y宗国とか、いろいろな国名が出てきて、よく分からねえな、
というところでちょっと読みにくかったです。
が、そこを乗り越えたら面白いこと面白いこと笑。
内容は、R帝国という、日本と中国を足したような国家で暮らす人々の物語です。
日本っぽい国なんですが、完全に政治中枢が独裁体制になっている、そんな国です。
AIが普及していて、スマホにAI機能が搭載されていて、それを使ってほぼほぼ人々が監視されているような、そんな世界です。
そんな世界で、R帝国に突然戦争が起きて、侵略されます。その戦争で起きた事件の裏側に焦点を当てた小説、てな感じです。
2人の主人公がいますが、
1人は、その戦争に巻き込まれた1人の被害者、
もう1人は、政治の中枢にかかわる人物です。
この2人の目線を通して、戦争と、その裏側に潜むもろもろの企みが暴かれていく、といった内容です。
詳細は説明しません、小説ですから。
僕の感想だけ書きたいと思います。
タイトルにも書きましたが。
「人間って愚かだな」
と思いました。
そしてもう1つ
「何が正しいかなんて、分かるのかな」
とも思いました。
一方は戦争の被害者、一方は戦争の中枢の情報を知るもの。この2人の視点で見るので、状況というか、場面によって、見える世界は違ってくるな、と思います。
情報を知っているからこそ、正しい正しくないの判断ができます。
知らないと、その判断を間違えてしまいます。
ではどこまで知っていればいいのか?
それは分か羅ないような気がしました。
だから、正しいがわかることなんてないのかな、なんて思いました。
そして最後のクライマックスですね。
なんとなくあんな感じになったらいやだな、と思っていたら、
その嫌な感じで終わっちゃったな、と思いました。
まあ、人間ってこんなもんだよね、そんなに頭良くないよね、
と思わせる結末だったと思います。
その心理が、現代の私たちの心の深層意識というか、潜在意識を見事に表現していると思います。
この小説が評価されているとしたら、その深層意識を抉り出した部分だと思います。
それぐらい、クライマックスは考えさせられるものでした。
とりあえず、めっちゃ面白かったです。
勢い2日くらいで読んじまいました笑。
では、おわりかな
アディオス。
価格:792円 |