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書評:R帝国 ~人間って愚かだねえ~

さて、今日は中村文則

R帝国

について書いていきたいと思います。

 

R帝国 (中公文庫 な75-1) [ 中村 文則 ]

価格:792円
(2022/1/27 16:21時点)
感想(1件)

さて、

ダークな感じの小説っぽい表紙だったのと、

アメトーークで紹介されたという帯に釣られて、

結構前に買っていましたが、最近読み終えました。

 

面白かったです。

 

最初、R帝国とか、Y宗国とか、いろいろな国名が出てきて、よく分からねえな、

というところでちょっと読みにくかったです。

 

が、そこを乗り越えたら面白いこと面白いこと笑。

 

内容は、R帝国という、日本と中国を足したような国家で暮らす人々の物語です。

日本っぽい国なんですが、完全に政治中枢が独裁体制になっている、そんな国です。

 

AIが普及していて、スマホにAI機能が搭載されていて、それを使ってほぼほぼ人々が監視されているような、そんな世界です。

 

そんな世界で、R帝国に突然戦争が起きて、侵略されます。その戦争で起きた事件の裏側に焦点を当てた小説、てな感じです。

 

2人の主人公がいますが、

 

1人は、その戦争に巻き込まれた1人の被害者、

もう1人は、政治の中枢にかかわる人物です。

 

この2人の目線を通して、戦争と、その裏側に潜むもろもろの企みが暴かれていく、といった内容です。

 

詳細は説明しません、小説ですから。

僕の感想だけ書きたいと思います。

 

タイトルにも書きましたが。

「人間って愚かだな」

と思いました。

そしてもう1つ

「何が正しいかなんて、分かるのかな」

とも思いました。

 

一方は戦争の被害者、一方は戦争の中枢の情報を知るもの。この2人の視点で見るので、状況というか、場面によって、見える世界は違ってくるな、と思います。

 

情報を知っているからこそ、正しい正しくないの判断ができます。

知らないと、その判断を間違えてしまいます。

 

ではどこまで知っていればいいのか?

それは分か羅ないような気がしました。

だから、正しいがわかることなんてないのかな、なんて思いました。

 

 

そして最後のクライマックスですね。

なんとなくあんな感じになったらいやだな、と思っていたら、

その嫌な感じで終わっちゃったな、と思いました。

 

まあ、人間ってこんなもんだよね、そんなに頭良くないよね、

と思わせる結末だったと思います。

 

その心理が、現代の私たちの心の深層意識というか、潜在意識を見事に表現していると思います。

この小説が評価されているとしたら、その深層意識を抉り出した部分だと思います。

 

それぐらい、クライマックスは考えさせられるものでした。

 

とりあえず、めっちゃ面白かったです。

勢い2日くらいで読んじまいました笑。

 

 

では、おわりかな

アディオス。

 

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感想(1件)

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