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書評:劇場 ~又吉直樹~ 人間のちょっと嫌な部分の気持ちを描くよね

お笑い芸人 「ピース」の又吉直樹が書いた

劇場

又吉直樹『劇場』 新潮文庫

 

について書いていきたいと思います。

劇場 (新潮文庫) [ 又吉 直樹 ]

価格:539円
(2022/1/30 17:53時点)
感想(1件)

 

だいぶタイミングは悪いですが、今読んだものだから仕方ありません。

 

金のない変人劇団員が、これもちょっと変な女の子と変な出会い方をして、付き合ってからの変遷を描くお話です。

 

別れる別れないとか書くと、ネタバレになる気がしたので書かないことにしました。

 

内容は恋愛小説だと思います。多分…

 

 

何ですが、なんて言うか、主人公が永田という3人くらいしかいない劇団の演出家です。

こいつが特に変わっています。

まあ、私劇団員と会ったことが無いので、これくらいが普通なのかもしれませんが…

 

最終的に思ったことなんですが、

 

その変人の主人公をもとにして、人間のひねくれている部分をこれでもか!という感じで書いた小説だったように思います。

 

素直じゃないんですよね。この永田という主人公。

 

素直じゃない人間なので、僕の仲にもあるのですが、人間のひねくれた部分をよく分かるように拡大して、小説に投影してくれている感じがしました。

 

部分部分、状況は違うけれども、

 

「ああ、その気持ちはわかるわ」

 

てな部分が結構出てきます。

ひねくれまくってますが。

 

金がないのでいろいろ金銭的に助けてもらっているのですが、助けてもらった人に対して悪態をついた場面なんかがあります。

それが特に印象的でした。

 

助けてもらっている側が、助ける側に悪態をつくなんて何事だ、と冷静にはわかっているのですが、その自分がみじめに感じて、それを認めたくなくて、自分に対する怒りを人にぶつけている。

 

そんな場面だったように思いました。

 

よくよく考えると、僕にもそういう面があるなと思いました。

自分が仕事をできないだけなのに、それを認めたくなくて、

「あいつが仕事できないから悪いんだ」

と思って人のせいにしたりすることがあります。

 

 

それも本心では、自分にも責任があるなとは分かっているのですが、それを認めたらすげえ自分がみじめになるので、他人のせいにしてそのみじめさから逃げる。

 

こんなことはしょっちゅうしている気がします。

 

そんな自分の弱いところに気づけた、という意味で、非常に読んでよかったな、と思います。

 

薄いから読みやすいし、、、

 

490円(税別)で安かったし、、、

 

てな感じです。

 

あでぃおす