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書評:人新世の資本論 ~経済を変えないとどうにもなりまへんな

 

 

今回は、斎藤幸平 著

人新世の「資本論

人新世の「資本論」 (集英社新書) | 斎藤 幸平 |本 | 通販 | Amazon

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について書いていきたいと思います。

人新世の「資本論」 (集英社新書) [ 斎藤 幸平 ]

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感想(29件)

 

図書館で借りたんですが、くそほど人気でした。3か月くらい待ちました笑。

 

さて、めっちゃざっくりいうと、資本主義のままでは地球の気候変動に歯止めをかけられないので、マルクスの「資本論」に新解釈を加えた新しい経済システムを構築して、地球の危機を乗り切ろうぜ、というお話でした。

 

私は以前

ウィリアム・ノードハウス著

気候カジノ

を読んだことがあるのですが、めっちゃ批判されてました。

この人ノーベル賞とか取ってた気がするねんけどなあ…

 

まあ、なぜかというと、この気候カジノは、

「資本主義のまま、頑張れるし即効性のある、現実的な炭素税という方法で乗り切ろうぜ」

という主張です。かなりざっくりですが…

 

急いで対応しなくちゃいけないけど、大幅に変えるの無理やん?だから炭素税で手を打とうぜ!、と言っています。

 

個人的にはこれは賛成というか、今の感じでいえばこのくらいしかできないよね、という考えは「確かにな」と思いました。

 

ですが、斎藤幸平さんは批判します。

「そんなぬるいことでは止まらん」

もっと抜本的に変えんかい。

 

そうおっしゃっていました。もっとちゃんと書いています。当然。

 

そして、その具体的な思想が書いてあったのが、この本です。

 

タイトルにある

人新世 : 人が引き起こした環境変化を表した地質時代のこと

資本論 : マルクスが書いた、社会主義の源流となった本

は、それぞれこういった意味があります。

 

資本論社会主義、という言葉を聞くと、あんまりいい感じがしない人が一定数いるかと思います。

まあ、ソ連は崩壊しましたし、色々と資本主義のほうが、現代に残っていますから。

 

ですが、この本で語られている資本論は一味違います。

 

そもそも資本論は、未完の大作なんです。作者のマルクスが完成前に亡くなってしまったからです。

 

だから、いまだに研究が続けられていて、その最新の研究をもとに、マルクスが考えていた新しい「資本論」というべきものが、この時代にとってすごく重要だ、ということを主張します。

 

キーワードは「脱成長」

 

資本主義による成長の加速をやめて、価値観を変えて、金にはならないけど大事な愛とか健康とかを大事にして脱成長しようぜ

 

というのがこの本のめっちゃざっくりとした主張です。

 

他の本に比べて、めちゃくちゃ要約しやすくて、書きやすかったです。

主張がシンプルですし、説得力もありましたので、良本だと思います。

くそ人気な理由が分かりました。

 

というわけで、気候変動とかに興味がある方は、一読の価値がある本だと思いました。

 

おわり

あでぃおす

 

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