ダニエル・シモンズ (著), クリストファー・チャブリス (著)
という本を読みました。
本の簡単な解説と、読んでみての感想を書いていきましょう。
【全員カモ】の概要
この本では、「嘘」や「嘘に近い真実」にあふれた現代で、騙されないための方法を説明しています。
SNSやショート動画の普及によって、だれでも情報が発信できる時代になり、ある意味情報の質が落ちてきました。
そんな時代でどうやって騙されないようにするか、ということが書かれた本です。
人間にはいろいろな特性があり、それをうまく利用されて、私たちは騙されます。
騙されないためには、その特性--4つの人の傾向(ハビット)と4つの認知的フック--を理解することが大事です。
4つの傾向
- 何かに集中していると、見えていないものを見逃しがち
- 予測しているものと同じようなデータは、信じがち
- 自分が思いこみと同じ傾向のモノは、正しいと判断しがち
- 調べるのが面倒なものはとりあえず信じがち
このように、人はあまり考えずに何かを信じる傾向にあります。
改めて言われると、思い当たる節があるものばかり…
4つの認知的フック
- 一貫性のあるデータ、誤差のないデータの方を信じがち
- *実際のデータは誤差があるものが多い
- 知っている名前があると、むやみに信じがち
- データや具体的な数字があるだけで、信じがち
- 論文に書いてあったら信じがちだが、再現性が取れないものも多い
いわゆる詐欺師は、このあたりの傾向をうまく利用し、騙そうとしてきます。
また、詐欺師だけではありません。
あらゆる営業トークでも、これらの人の特性をうまく利用するでしょう。
詐欺にならない範囲で物を売ろう、というわけですね。
とはいえ、最終的な結論として
適度に騙されるリスクを取り、大きなリスクにはきちんと対策を取る
というものです。
なぜ、適度に騙されるリスクを取りつつ、なのか。
理由は単純、あらゆるものにきちんと対策するには、かなりコスパが悪いから。
歯ブラシの磨き性能を真正面から疑って色々調べても、受け取れるメリットは小さいものです。
とはいえ、家を購入する時には、きちんと調査しなければなりません。
「リスクとコストを両てんびんにかけてしなやかに対策しよう」
というコスパを意識した結論を導いています。
感想【書評】
なんか、信じられるものなんてあんまり無いんだな、と思いました。
とはいえ、疑ってかかったら、何も行動できない。
そんなジレンマを感じました。
そりゃ
「適度には騙されるリスクもとりつつ、重大な問題に関しては結構頑張る」
というのが確かに妥当な答えだな、という感じです。
全くスッキリしない答えですが笑。
世の中そんなもんなのかもしれません。
「バランスの良い食事が一番健康に良い」
のと同じで
「ビタミンだけサプリで摂取していればOK」
というわけではない、というのと同じようなことだと感じました。
最近、Facebookを見ると、明らかにオカシイ動画が散乱しています。
*困ったものです。
こんなすぐに人をだまそうとしてくる時代には、一度読んでみて、自分なりの騙されないための対策を考える。
そのために一度読んでみてはいかがでしょうか。
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