最近話題の「生成AI」。
ChatGPTとか画像生成AIとか、「すごいな」と思って使っているけど
「どうやって動いてるの?」という疑問がふと湧いてきた人も多いのでは?
そんな興味から手に取ったのが
『生成AIのしくみ ―〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる』
(岡野原大輔 著)
という本です。
Amazonの商品説明には
- 初心者向け
- やさしく解説
とありましたが、結論から言うとちょっと難しかったです。
おそらく、「AIをこれから専門的に学んでいきたい大学生」向けかなという印象でした。
書籍情報まとめ
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書名:生成AIのしくみ ―〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる
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著者:岡野原大輔(Preferred Networks取締役)
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出版社:岩波書店(岩波科学ライブラリー328)
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発売日:2024年3月
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ページ数:128ページ
感想:初心者向けにはちょっと専門的かも?
冒頭では「生成AIとは何か?」をざっくり説明してくれて、たとえばプロンプトの話や、画像や音声などの生成の難しさについてはわかりやすく書かれていました。
しかし、読み進めるにつれて登場する専門用語がかなり本格的。
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多様体仮説
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エネルギーベースモデル
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ポップフィールドネットワーク
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スコアマッチング
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フローマッチング
など、専門的なキーワードが次々と登場します。
これらの用語の説明はあるものの、初心者にはやや抽象度が高く、正直ふわっとしか理解できていないです。
それでも「読んでよかった」と思えた点
拡散モデルのたとえが秀逸
「拡散モデルって何?」という問いに対して、本書では「インクが水に広がって、また一滴に戻るようなプロセス」と表現しています。
この例えなどは非常にわかりやすく、技術の背景が少し理解できた気がしました。
概念の理解を目的にするなら良書
理論を深掘りしてアルゴリズムを知るというより、「AIはどういう考え方でデータを作っているのか?」を知りたい人に向いている本です。
「流れ」や「構造」といった視点で生成AIを説明してくれているので、感覚的な理解を深めるにはとても良い一冊でした。
気になったところ
初心者向けと謳っているわりには内容が高度
理論的な解説が中心なので、「AIって何?」というレベルの人にはハードルが高いと感じました。
実際、私自身も何度か読み返さないと理解できない箇所が多々ありました。
「文系だけどAIに興味がある」という人よりも、「AIを学ぶ大学生や社会人初学者」向けの入門書という立ち位置だと思います。
図解やビジュアルが少ない
文章中心で説明されているため、視覚的な理解が難しい場面がありました。
図やチャートもありますが、なんだが授業を受けているようなイラスト笑。
もう少し多ければ、より理解が進んだように感じます。
まとめ
『生成AIのしくみ』は、完全な初心者よりも、「AIをこれからちゃんと学びたい」と思っている人向けの本です。
難しいと感じる部分も多かったですが、拡散モデルやエネルギーベースモデルなど、AIが駆動している背景が少しでも分かったのは大きな収穫でした。
- 生成AIの原理に興味がある方
- AIの学習を始めた大学生
- エンジニア志望の初学者
などにはおすすめです!