「幸せな仕事はどこにある?」(井上大輔 著)は、「このまま楽しくもない仕事を続けていていいのか?」と思うサラリーマンに向けて書かれた本です。
「マーケティング」という視点を取り入れ、自分がどのように社会の役に立ち、そしてどのように自分らしいキャリアを築いていくかを問いかけてくる本です。
もし今の仕事が楽しくないと悩んでいたら、参考になるかもしれません!
書籍の基本情報
- タイトル: 幸せな仕事はどこにある: 本当の「やりたいこと」が見つかるハカセのマーケティング講義
- 著者: 井上大輔
- ジャンル: ビジネス書、自己啓発
- 出版年: 2024年6月
- ページ数: 288ページ
- 出版社: 東洋経済新報社
あらすじ
本書は、「仕事」「キャリア」をテーマにして、マーケティングのフレームワークを活用しながら、自己実現と社会貢献の両立を目指す方法を物語形式で分かりやすく解説しています。
マーケティングの概念である「差別化」と「同質化」、さらには「パーパス(目的)」という視点を通じて、読者に「自分らしい生き方」「社会の役に立つ生き方」を見つけるための考え方を伝えています。
タイトルの「幸せな仕事はどこにある?」の通り、仕事をただの生計手段とみなすのではありません。
幸せな仕事とは「誰かの役に立つ」×「自分が本当にやりたいことを形にする」という観点を取り入れれば見つかるよ、と言っているのです。
主要テーマと見どころ
この本では、物語ベースで話が進むゾーンと、「ハカセ」と呼ばれる教授の講義を中心とした勉強ゾーンが混在しています。
勉強ゾーンも話し口調で書かれていて、すらすら読めました。
今回は、その中でも重要だと思うポイントをピックアップしました。
1. 差別化と同質化のバランス
マーケティングでは「フレーム・オブ・リファレンス」(周囲からどう認識されるか)が重要です。
自分の特徴(差別化要素)と、周囲と共通する部分(同質化要素)の両方を考慮することで、社会で認知され、さらにそこから独自のポジションを築けると説明しています。
キャリアで言うならば、
- 同質化要素はそこそこのレベルを保つ
- 差別化要素を見つけてトガる
といいよ、となります。
「まずはみんなと同じレベルに立ち、どっかで出し抜こう」作戦ですね。
2. パーパス(目的)を見つける
「ベストな自分」と「社会課題」を掛け合わせることで、個人の生き方やキャリアにおける「パーパス」を見つける方法が語られています。
ベストな自分を見つけるには
- 自分が何をしたいのか
- 自分が何ができるのか
- 自分に何ができるのか
そしてそれがどんな社会課題の解決に役立つのかを明確にしましょう。
3. セイリエンス(目立ち度合い)の重要性
「最初に認知されるブランドは強い」という法則があります。
マーケティングにおいては、ニッチでも何らかの「1位」を確立すると、目立ちます。
この考え方は仕事やキャリア形成においても有効で
- 「○○といえば○○さん」
というポジションをゲットできれば、社内での評価は上がるはずです。
4. FABVなど活用しながら相手に価値を伝える
- F(特徴): 自分やサービスの具体的な強みを伝える。
- A(優位性): 競合より優れている点を強調する。
- B(便益): 相手にどんな利益をもたらすのかを具体的に示す。
- V(価値): 相手の価値観に寄り添い、共感を生む。
紹介した4つは、代表的なものですが、これを「どのように」伝えるかをかなり工夫することで、相手の心を揺らすことができます。
なかなか実際にやると難しいかもしれませんが…
感想と評価
物語形式なので、半日読む気合があれば読めるくらいの分量です。すらすら読めますし。
「マーケティングをキャリア形成に活かそう」という発想はあまりなじみがなかったので、面白かったです。
「売れる仕組みを作る」がマーケティングの基本概念ですが、人間にも応用可能。
「評価される仕組みを知り、のっかる」ということだと私は理解しました。
相手が今困っていることを見抜き「私ならその課題を解決できますよ」と丁寧に伝えれば問題有りません。
こういうのって、マーケティングって区切るからこういう発想になるだけで「人の役に立つ」みたいな大きな概念に包含されているような気がしますね。
まとめとおすすめポイント
本書は、「やりたいことがわからない」「今の仕事にやりがいを感じられない」と悩んでいる方には今後のヒントが得られるかもしれません。
また、自分の能力を活かして社会に貢献したいと考える人にとっても、多くのヒントを得られるでしょう。
マーケティング視点でキャリアを見直し、あなたの「幸せな仕事」を見つける第一歩を踏み出してみませんか?