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書評:幸せを拒む病 ~確かにそんなときあるよね~

というわけで、心理療法家 笠原敏雄さんの

「幸せを拒む病」 フォレスト出版

について、書いていきたいと思います。

 

幸せを拒む病 (Forest 2545 shinsyo) [ 笠原敏雄 ]

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心理療法家として、長年カウンセリングなどを通じて精神疾患の回復に尽力されてきた作者が、その経験をもとに、ある仮説を立てました。

 

「人の中には幸福否定をするという本能的なものが存在する」

 

この仮説によって、多くの精神疾患の症状を説明できる、という考え方です。

これを筆者は「幸福否定」と呼んでいます。

 

作者もところどころ書いていますが、あまり一般に受け入れられない考え方、だそうです。

 

私自身も、一冊読みましたが、いまいち納得のいかないところがありました。

しかし、確かに「幸福否定」で説明できるような事例が一般に存在しているのも、この本を読んで理解することができました。

 

 

例えば、自分の進歩や成長を嫌う、という現象です。

 

締め切り間際まで、書類や宿題に手を付けなかった、なんて経験はないでしょうか?

 

 これも幸福否定で説明できます。

 よくよく考えると、これはおかしな現象です。

 

やらなくちゃいけないことは分かっていて、やったら成長出来てハッピーになれるの     に、やらないのですから、、、

 

仕事をこなして成長したり達成感を味わったりすることから避けているようです。

 

そして、自分を成長させると分かっていることですら、やらないんです。

本来感じるべき幸福を本能的に感じようとはしない、ということになるでしょう。

 

そのように、こうすれば幸せになれる、という行為を本能が阻害することが、

「幸福否定」

ということです。

 

こんな感じの事例がちりばめられていて、確かにそういう考え方もあるな、と思いました。

私なんかより人生経験が長く、そこの分野において専門性を発揮してお仕事をされてきた方ですから、私なんかがなんか言うよりも説得力があります。

 

ただ、私にはどうしても受け入れられませんでした。

理解ができなかった。

 

私は科学大好き人間ですから、科学にのっとった論理で説明してほしいな、と思います。

また、「幸福否定」をするのなら、それを説明できるだけの論拠が欲しいなあ、と思います。

 

経験を積んでそこから見えてきた、という理屈ではちょっと物足りないです。

こういう視点で説明するとちゃんと説明できる、という視点があると、非常にわかりやすいし、信頼できるなあ、と思いました。

 

無理やり説明になるのを嫌がったのかもしれませんが、ちょっとそこが残念でした。

 

ですが、科学が常に正しいわけでもないですし、その根拠としているものも、結構あやふやな実験にのっとったものであったりもします。

 

ですから、この幸福否定を説明できるような論理が出てきて、それが正しそうだと証明されれば、非常に有用な考え方になるのかもしれません。

 

おわり

アディオス。

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