ゆるだら派遣社員_暇なので勉強する

30代で派遣社員でゆるだら生活。貯金はないですが、これ以上働けません。 本を読んだり酒を飲んだりして過ごしています。

【ベストセラー】なぜ働いていると本が読めなくなるのか – その原因と対策を読書の歴史探る【書評】

読書好きの人でも、多くの人が働きながら本を読む時間を確保するのが難しいと感じているのではないでしょうか?

そんな疑問から始まるこの本がベストセラーになったのも、多くの人が共感している証拠でしょう。

 

今回は、そんな

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

について読んだ感想を書いていきたいと思います。

 

 

 

書籍の基本情報

  • タイトル:なぜ働いていると本が読めなくなるのか
  • 著者:三宅 香帆
  • 出版年:2024年
  • ページ数:288

あらすじ

この本は、働く現代人が読書好きであったとしても

「なぜ本を読む時間を見つけられないのか」

その背景と原因について掘り下げています。

 

明治時代から現代までの読書習慣の変遷を追いながら、現代における読書の位置づけを見ていこうという、新しい試みです。

 

主要テーマと見どころ

大分削って、メインテーマだろうと思われる部分を抽出してみました。

 

明治の近代化と読書習慣

読書(黙読)が普及したのは、明治以降の事です。

それまでは限られた人しか本を読むことができませんでした。

 

明治時代以降、田舎でも本を読む人が増え、労働者階級でも本を読むようになります。

そんな中、都会のエリート層労働者階級で本の分野が分かれていきます。

 

戦後から高度経済成長期の変遷

戦後には、サラリーマンが誕生し、読書文化のメイン層となります。

エリート層労働者階級での読書の分野が、重なっていく時代でもあります。

 

ここまでは、どちらかというと勉強(教養や自己修養が目的)としての読書だったのが、小説など、エンタメ性を持った本も売れていくようになります。

 

このあたりから、近年ベストセラーが多い自己啓発が徐々に登場してきます。

 

現代の読書習慣

現代は、自己啓発の時代になりつつあります。

特に「すぐに役立つ情報だけがゲットできる」ようなコスパの良い本が売れていくようになります。

 

インターネットやSNSで情報過多の現代においては、洗練された情報が求められ、その生き着く先の1つが「自己啓発」というわけです。

 

読書は本来、

洗練された情報だけが載ったものではなく、

余計な情報が折り重なりながらできた1冊のモノ

です。

 

忙しい現代においては、本来の読書においてどうしてもくっついてくる余計な情報は必要ないのです。

*本来の読書などというものは存在しないのかもしれませんが…

 

これがおそらく筆者の言う「本が読めなくなる理由」です。

 

働きながら本を読むためのコツ

そんな現代で、読書を続けるための具体的な方法や、読書と仕事の両立についてのアドバイスがあります。

サクッと一言で言えば

全力で働くのをやめて、読書好きなら読書のための時間を確保しようよ

てな感じです。

 

元も子もないかもしれませんが、余計な情報を入れるための余分な時間が必要だ、ということでしょう。

 

感想と評価

この本は、なぜ読書好きな人でも現代では本が読めなくなるのか、そんな疑問に真正面から向かっていった本です。

読書の歴史、ベストセラーの歴史を通じて、明治から現代までの読書習慣の変遷がわかりやすくまとめられている点が印象的でした。

意外と読書が新しい文化であるという点も意外と考えても見なかったことです。

 

しかし

「時代の変遷の中で読書習慣が変わったのは分かった。だが、それが現代でどうなったから本が読めなくなったのか」

が少し分かりにくかったです。

 

多分「忙しくなって情報としての価値のみが求められるようになった」という結論だと思いますが、その点をもう少し明確に示してくれたらよかったなという印象です。

 

これも間違っている気がしています笑

 

これらが分かれば、最後に紹介されている読書のコツがより理解しやすくなると感じました。

 

まとめとおすすめポイント

本書は、忙しい日々の中で読書を取り戻したいと考えている全ての人におすすめです。歴史的な背景と現代の実践的なアドバイスが融合した内容は、読書の重要性を再認識させてくれるでしょう。

 

あなたも、働きながら本を読む習慣を取り戻してみませんか?