偶然の産物vs科学の力…
旨いだけでは足りない何かが、ワインにはあるのかもしれません。
そんな気分になる
マスターキートン9巻
についてレビューしていきたいと思います。
マスターキートンはどんなマンガ?
考古学者兼保険の調査員である平賀・キートン・太一が主人公のマンガです。
実はイギリス特殊空挺部隊(SAS)に所属していたこともあるサバイバルのスペシャリストでもあり、設定もりもりの主人公です。
この主人公が、昔からの夢である考古学者になりたいのだが、現実は講師に就職することすら厳しい…
仕方なく危険な業務もある保険の調査員をしながら、いろいろな事件を解決していく、という物語です。
今回は9巻について書いていきたいと思います。
私のお気に入りエピソードランキングTop5に入る「シャトーラジョンシュ1944」のお話です。
「シャトーラジョンシュ1944」あらすじ
とあるワイン蔵。
ここでは、1944年の戦時下に、奇跡と偶然の産物である銘酒
「シャトーラジョンシュ1944」
を生み出している蔵でした。
しかし、そんな過去の栄光にすがった伝統的な製法では、売り上げは伸びず、ここ最近は低迷していました。
ですから、昔の畑を取り壊して、科学的な生産手法に切り替えようとしていた時のお話です。
その蔵のオーナーは、シャトーラジョンシュ1944を生み出した一人で、その酒や伝統的な製法にやはり愛着があった。
表向きは科学的な製造に切り替えることに賛同しながらも、心のどこかではそれを嫌がっていました。
そして、蔵に1本だけ残っていた時価総額2億円ともいわれる「シャトーラジョンシュ1944」を抵当に、新しい蔵へと生まれ変わることになっていました。
そのお祝いのパーティで事件がありました。
そのパーティのメインが、「シャトーラジョンシュ1944」を手渡しする、ということなのですが、
その時に、オーナーがその瓶を落として割り、すべてがおじゃんにしてしまいました。
というお話です。
ですが、終わりはどちらかと言えばハッピーエンド。
そのオーナーと昔からの使用人で、もう1回頑張ろう、という未来に向けて走りだそう、という所で話が終わります。
感想~味わいって味だけじゃなくて、裏にあるストーリーとか作り手の思いも大事やね
この話を読むといつも思うことがあります。
やっぱり、科学で生み出されたうまいものもうまいんですが、偶然の産物には、どうしても勝てないのかな、ということです。
科学的手法で作った味100点のやつと、偶然できたけど面白いストーリーがある80点の酒だったら、僕は後者の方に、興味がそそられてしまいます。
何なんでしょうね。これ
科学って何でもできる、と思っているからなんでしょうかね。
偶然の産物の方が希少価値みたいなものを感じてしまいます。
とはいえ、これに反対する自分がいるのも確かです。
私、飲料系のメーカー勤務をしていたことがあったんですが、結構大変なんですよ。あれ。
安定して旨いものを作るとか、安全なものを常に作り続けるとか…
その努力よりも偶然の方が上か?と言われると、それはそれで違うんじゃないかと思ってしまう。
いつもこんなことでちょっともやもやしちゃいますが、いずれにせよ、うまい酒は飲みたいです笑。
おわり
あでぃおす。