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書評:不毛地帯① やっぱ山崎豊子ええわあ 

 


 

さて、この前読んだ、

山崎豊子 著

不毛地帯

について書いていきたいと思います。

 

いやあ、文庫本で5冊に分かれていて、図書館で借りたんですが、ちょーおもしれえですわ。

一週間で読み上げました。

土日を使って約3冊分行きました。

 

何がそんなに面白かったかについて、書いていきたいと思います。

 

まず、この本に出てくる主人公は、元陸軍中佐、壹岐正ですね。関東軍の参謀として、満州で勤務したことのある人物です。

この人が、敗戦後、シベリアに10年以上抑留され、そして帰国後、商社マンとしてめっちゃ有能を発揮して頑張る、という話です。

 

んで、まず、最初は、軍人なので、敗戦後の戦後処理の場面が色々書かれます。

 

この辺の、細かい描写がすげえな、と毎回読みながら思います。

人間の内面と言いますか、その状況に置かれた人間の内面をすごく細かく書いている気がします。

 

同期が自決したり、自身は、ソ連側の証人として東京軍事裁判に出廷したりといろいろな目に合います。

 

そののち、ソ連のシベリア抑留の話に移ります。

この辺のの描写が、個人的にはよくこんな書けたもんだ、と思う所です。

めっちゃ取材したんだろうなあ、という気がしてならないところでした。

 

んで、その辺りを読んで思った一番の感想が、

「なんでこの人たち生きていられるんだろう…」

ですね。

 

条件が意味不明すぎるんですよ。

 

飯がパン300gとスープだけ(野菜1切くらいらしい)

労働は1日12時間

しかも屋外労働、そしてくそ寒い

 

良く生きて帰ってこられたなあ、と、素直に思います。

いくら何でも極限環境過ぎます…

 

また、日本人同士で暮らしているにも関わらず、極限環境においては、争いが起きます。そのあたりの描写も、リアリティがありました。

 

当然、共産主義の国なので、向こうの考え方に染まったほうが生きやすいというのがあります。

そのあたりの人間の心変わりの様子とか、それでも共産主義に抵抗する人とか、色々いて、面白いというと語弊がありますが、興味深いポイントでした。

 

また次回は、そんな中で抵抗し、死にかけになった壹岐正中佐が、日本に帰ってこれるところまで書いていきたいと思います。

 

終わり、

アディオス。