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書評:山崎豊子著 不毛地帯④ まさに商社の戦い、自動車提携

さて今日は、不毛地帯の続き、自動車提携をするところのお話です。

 

 

 

とあるきっかけで、自動車提携の話を聞いた主人公の壹岐さんは、この提携を結ばなくてはいけない、と考えます。

 

ある、没落しそうな日本の自動車会社と、海外の有力自動車メーカーとの提携です。

 

なぜ、海外のメーカーかというと、国内メーカーとの契約でもいいのですが、そうすると、会社の看板が失われてしまうからです。

そりゃ会社としては、いくら没落しそうで、お金が無くても、○○自動車、という表看板は失いたくないわけです。

 

ですが、国内企業と合併すると、その表看板が失われ、△△自動車として、今後やっていかなくてはいけない、ということになってしまいます。

 

海外メーカーとの提携であれば、海外メーカーの車を受注生産したり、自社の技術も渡したりしますが、表看板が残る可能性があります。

 

というわけで、そんな独立性を保つべく、アメリカに移動になった壹岐さんは、色々と努力に努力を重ねます。

 

んで、海外の自動車からのOKはもらい、後は日本の調整だ、という所で、問題が発生します。人間同士のどろどろとした戦いです。

 

商社内に、里井副社長、という人がいまして、その人が敵になります。

というのも、海外との提携話は、全員一致の意見ではなく、社内には、国内企業との合併のほうがいい、と考える人もいて、その人と自動車のえらいさんが仲良くて、壹岐さんが頑張って作り上げた話に反対します。

 

そうして、どろどろとした争いをするわけです。

まあ、正直言って、どっちがいいのかなんて分かりませんが、いずれにせよ、社内で争っている状態です。しかも、その裏には、社内出世を考えている副社長のプライド、というものがあります。

割とそういう個人的な欲望で動いている姿を書き出しているのが、山崎豊子です。

大好きです笑。

 

さて、そんなドロドロしているところにどうなったかというと、他者にこの話をパクられます。

 

ずっとライバルとして登場する鮫島、という男です。

国内①×海外の提携をしようとしていたら、

国内②×海外の提携をされてしまい、はがき1通でフラれたということです。

 

そうやって、自動車の提携話は全てなしになりました。

んで、後日談ですが、最終的には里井副社長を出向させます笑。

 

なんていうかこの辺は、昔の過去を忘れて、完全にビジネスマンとしての仕事をしているときですね。完全に有能ビジネスマンとしての称号を2発目でも得ます。

 

なぜこんなことが出来るのか、1つには人たらしっぽい部分があります。なぜか社内の一部の部下に、めちゃめちゃ好かれます。

多分、非常に合理的な判断をしていて、部下の言うことも聞くし、反対するときも合理的な判断なので、上司として担ぐには十分魅力的な人物だったのでしょう。

そんな大人になりたいものです。

 

んで、最終的には石油の話をして、会社を辞めます。

かっけえ。

 

その石油の話が最後ですね。

おわり。

あでぃおす