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書評:山崎豊子著 不毛地帯⑤ 最後の戦い 石油開発

 


 

さて、山崎豊子著:不毛地帯も最後ですね。

 

主人公壹岐中佐の最後の戦いが、石油開発です。

 

日本は当然ながら石油が取れません。

ですから、エネルギー供給的には非常に不利な立場にいます。

 

そんな中、サウジアラビアのある鉱区が国際入札にかけられることになりました。

つまり、日本が頑張れば、日本の商社が持っている油田を確保できるのです。

これは、国としても結構重要な話です。

 

んで、壹岐中佐は、これをやろうとしますが、基本的には1社では金が足らないので、みんなで一緒に、国家プロジェクトとしてやろう、という形で進めることになり、壹岐中佐の所属する商社もそれに加わりますが、やっぱり抜けます。

 

なぜこんなことになったか。

早めから努力していたにも関わらず、大手商社が大きな力をもっていたため、不当なほど低い利益配分しか約束されなかったからです。

 

ブチギレですね、簡単に言えば。

どうせ1社では出来ないからと、足元見られている、といった感覚でしょうか。

 

んで、ブチギレして日本のプロジェクトから抜け出し、独自でアメリカの掘削会社と手を結び、国際入札でバトルをします。

 

あらゆる裏ルートも、表ルートも、すべてを使い、結果として鉱区を勝ち取ります。

大手商社からは恨まれますが、頑張って勝ちました。

 

当然、失敗すれば倒産しかねないほどの博打、と言っていいでしょう。

 

そして、その開発を進めますが、なかなかうまくいきません。

資金が尽き掛けてきたころ、小説ですから、石油が噴き出します笑。

 

んで、壹岐中佐は最後まで成功を収める、大商社マンとなりました。

 

ですが、こののち、すぐにワンマン経営にそろそろ無理がたたってきた大門社長に引導を渡し、自分も退職します。

 

これで、この物語は終わります。

 

もともと、商社マンになりたくてやっていたわけではないですし、シベリアのこととか考えて生きていきたい、みたいな感じだったので、それに関してはあまり驚かなかったです。

 

この本を読んで、今はどうかは分かりませんが、

商社マンなんかなりたくねえな

と思いました。僕ならストレスと重圧でたぶん死にます笑。

国とか、会社とか、背負って、一人でサウジアラビアとかで仕事しなくてはいけないこともあるのです。

僕には無理だなあ。

 

でも、そういう人がいるからこそ、日本に石油が入ってくるし、色々と経済的な恩恵を受けられるわけです。

正直、高級取りなのも仕方はないな、というか、それに見合うくらいの仕事はしているような気がしました。

 

商社マンになりたい方は、1回くらいは読んでみると面白いのかもしれません。

昔の商社の雰囲気が、わかるような気がします。

 

おわり

アディオス。