さて、本日は山本七平著
空気の研究
について書いていきたいと思います。
一言で要約しますと
「空気という名の感情の塊が、ロジックを圧倒して、日本の意思決定の場面に存在している。
それに水を差すという形で、バランスをとっているのが、この国の意思決定のやり方」
という感じです。ちょっと長くなってしまいました。
「本 おすすめ」とかで検索するとちょこちょこ見かけるタイトルだったので、どんな本なのかは結構前から気になっていました。
私個人としては、非常に興味深い本でした。
ちょっと難しいですが、また読みたくなる、そんな内容の濃い本でした。
空気による意思決定
空気が意思決定をする。そんな場面の例として、戦艦大和の特攻作戦を取り上げています。
戦艦大和の鹿児島水上特攻作戦は、誰しもが失敗すると思っていた作戦でした。
当然、作戦立案者も当時の日本の最高峰の頭脳集団ですから、気づいていないわけはありません。
しかし、それでも作戦は決行された。
なぜか…
答えは「空気」なのではないか、というのです。
感情の塊=空気、がその場を支配し、そんな合理的な判断を圧倒して、作戦を決行させたということです。
他にも、新型コロナ対策としてのマスクがいい例でしょう。
現在、マスクに感染防止効果はそれほどない、と科学的にも言われていて、マスク着用は個人の自由です、となっています。
しかしそれでも、マスクを着けている人は多い。
これも「空気」の為せるわざではないでしょうか。
ロジックよりも「なんかみんながつけているし…」みたいな感情が優先されていると思います。
かくいう私も毎日着用しています。
水を差す
そんな日本の意思決定に大きく関わる空気に、「水を差す」という方法で対抗してきた、という歴史もあるんだ、ということがこの本でも書かれています。
水を差す、ということは、空気を乱す、というような意味で使われることが多いと思います。
水を差して、感情という名の空気を乱して、合理的に判断しよう
そんな作用が水を差すことの意味だ、、、そんな内容です。
ただし、本に書いてあったかは忘れてしまいましたが、私の感想としては、その水を差す、という作用が最近は減ってきているんじゃないかなあ、という気がします。
まとめ
この本を読んで、一番思ったことは
「感情に左右されず、できるだけ合理的に判断しよう」
と思いました。こんだけ感情の力が強いなら、それに対抗する力をつけておかないと、いずれ困るかな、という気がしています。
そのような、ちょっと今までの視点に新しいものを注入してくれる
そんな素晴らしい本でした。
おわり
あでぃおす