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マスターキートン12巻~赤い風 社会の哀愁漂う話~書評:浦沢直樹

 

大人になるってなんだかなあ

 

 

マスターキートン12巻

についてレビューしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

マスターキートンはどんなマンガ?

 

考古学者兼保険の調査員である平賀・キートン・太一が主人公のマンガです。

実はイギリス特殊空挺部隊SAS)に所属していたこともあるサバイバルのスペシャリストでもあり、設定もりもりの主人公です。

 

この主人公が、昔からの夢である考古学者になりたいのだが、現実は講師に就職することすら厳しい…

仕方なく危険な業務もある保険の調査員をしながら、いろいろな事件を解決していく、という物語です。

 

dic.pixiv.net

 

今回は12巻 Chapter5「赤い風」について書いていきたいと思います。

 

「赤い風」あらすじ

ソ連のとある小学校で、ある先生に同時に恋をした3人の同級生の物語。

その3人が将来も先生に恥ずかしくない大人になろうと

「裏切らない」「嘘をつかない」「逃げ出さない」

という誓いを立てた。

 

そして時がたち、3人の一人のラージンの周りで、事件が起こる。

彼の部下が「木の枝」を頸椎に刺されて殺されたのだ。

これは、特定の武器は持たずに人を殺す、とあるプロの殺し屋の手口だと分かる。

それ「赤い風」と呼ばれる旧ソ連工作員である。

 

さらに部下を殺されたラージンの元に、ある布が届く。

「裏切らない」「嘘をつかない」「逃げ出さない」と書かれた布だ。

これによって、工作員「赤い風」が当時の同級生のうちの1人、ミハイルだと分かる。

 

そして、なぜこのミハイルがラージンを襲ったのか。

その理由は、まさかの「ラージン」ともう一人、ニコライを殺していたのだ、、、

 

そして、そんな「裏切り」をしたラージンをミハイルは許さない。それでラージンを捕まえたとき、衝撃の事実が明らかになる。

 

実は真の意味の「裏切り」をしていたのはもともと殺されていたニコライだった。

ニコライは元軍人で、密輸に手を貸していて、その商売を手伝っていたラージンを殺し、儲けを独占しようとしていたのだ。

 

そして、最後、

ミハイル=「赤い風」が気を緩めたすきにラージンがミハイルを襲ったが、逆に自分が階段から落ち、死んでしまった。

 

そんな、悲しい物語。

 

感想~切ない。ただ切ない

大分端折ったあらすじを書きました。

本当はもっとアクションとかサスペンス要素が面白いので、ぜひマンガで読んでみてください!

 

ただ、私が伝えたいのは、この物語の切なさです。

小学校の時に誓った、かわいらしい、ただすごく良い約束。

 

それが、大人になるにつれて消え去り、最後には全員が全員傷を負っていく。

「これがリアルなのかもしれない」などと思ってしまう。

 

特に、ソ連崩壊の影響をもろに浴びた人たちにとっては、僕なんぞが想像もできない苦痛があるように思う。

 

でも、なんだろう。やはり少年の心みたいなものをどこかに持っておくのは大事なんじゃないかな、と思う。

そこに本当の人間らしさがある気がする。

 

今の時代は、やれ競争だ、やれ金稼げ、とか、なんか忙しいし、人情味のない世界な気がする。

しかし、僕らの遺伝子は原始人と変わらない。そんな原始人は何をしていたか。

多分、仲間とともに狩り、喋り、たまに好きな人の取り合いをしながら生きていたはずだ。

そこにはもう、人情味しか無い気がする。

 

そんな世界だったら、こんな悲劇は起こらなかったかもなあ。。。

等と考えてしまう。

 

そんなことを言いながら、現代文明の利器のおかげで生きている私。

物事を否定したり肯定したりするのは難しい。

たかがマンガの1つのお話なのに…

 

 

おわり

あでぃおす。